既成政党は国民を護れない
戦後政治は一応、保守政党と左派・リベラル政党の対峙という構図とされてきました。
が、実際は、既成政党は国民を取引材料にして利権を分け合う、利権共同体をなす1つの大きな政党。
利権と言っても、国家が政策を遂行するときはその受益者は生じるのであり、その受益を利権というならば利権は否定できない、何なら必ず存在するものとも言えます。
しかし、政治の使命の第一は国民、その共同体たる国家を護る事。国民を害し脅かすことで得られる利権まで認められるものでは当然ありません。
しかし、既成政党は、この一線を守りませんでした。
拉致事件
拉致被害者の家族から救出を依頼された社会党の党首がこれを一蹴した件は知られているところです。
他方、社会党が頼れないのならと藁にもすがる思いで救出を依頼された自民党も反応薄。それでも家族の必死の願いを聞いて救出の為に奔走した安倍総理は自民党内でずいぶん叩かれたといいます。
対北朝鮮支援には、拉致被害者の存在は都合が悪いからでしょう。
実際、自民党幹部は5名の帰国すら実現していない段階で「拉致問題はこの辺が落としどころ」と発言していました。国民を護る気などない、見殺しにするつもりだったという事です。
阪神淡路大震災
時の村山富市総理(社会党)の対応が批判されていますが、このタイミングで社会党の村山氏が総理大臣となっていたのは、政治改革で下野していた自民党が政権に返り咲くために、社会党の党首を総理大臣に据えてまで連立政権を組んだことによります。
現在なら自民党と立憲民主党が連立を組むようなもの。保守政党だ左派・リベラル政党だ言っても利害は共通するということです。
いわゆる従軍慰安婦問題
朝日新聞の報道が批判されていますが、事前の聞き取りでは裏付けとなる事実がなかったにも関わらず強制連行を認めたのは自民党総裁の河野洋平氏です。
なお、河野氏が総理総裁でないのは、これが自民党と社会党の連立政権の際のものであることによります。
対中ODA
当時から国内だけでなく国外からも、日本は自らの首に掛けるための縄を中国に献上していると言われていました。
実行したのは与党である自民党ですが、普段は平和を叫ぶ左派・リベラル政党は反対せず後押し。平和の党を冠する公明党は連立与党としてこれを推進。
アイヌ先住民決議・アイヌ新法
ウクライナ侵略後、ロシアは更にアイヌはロシアの先住民族であると主張し始めました。
ロシアの侵略の矛先は西のウクライナだけでなく東の日本の可能性があったことが指摘されていますが、その際には「ロシアの少数民族を保護する」と口実として使われる危険があります。
この侵略の口実は中国も使う事ができます。「アイヌは中華の少数民族である。これを保護する」と。
この決議は既成政党挙げた全会一致で行われたものです。
外国人生活保護
言うまでもなく国民が利用され食い物にされる制度です。
上記の政策(?)の数々は、国民が犠牲になり、食い物にされる一方で、与党、野党問わず、保守政党、左派・リベラル政党問わず受益者となったものです。
国民を取引材料にして利権を分け合う。形は変えて同じ事が繰り返されてきました。
この安全保障環境下、今なお外国に流れている可能性のある公金問題も、頑なに自衛隊を軍と位置付ける事を拒む憲法改正も、移民政策も、結局は従来の延長にあります。
既成政党は国民を取引材料に利権を分配し相互に保障しあうことで存続するという構造上、個人単位でまっとうな愛国心のある政治家がいようとも限界があります。既成政党に入って内から変えようとしても同様です。
戦後続いてきた、この利権共同体制、戦後体制を内から打破することはできないでしょう。
内から打破することができないのであれば、新たな政党が外から打破するほかありません。