学校教育法第15条に基づく勧告に関する意見

意見書提出の趣旨

かねてから大学教授等の地位にある者の不適切を通り越した暴言ともいうべき発言が散見されます。法政大学教授の安倍総理暗殺を礼賛する発言は記憶に新しいところです。

言論ではなく暴力で自らの目的を達成することを肯認する者が大学、学術機関等で教鞭を取るに相応しくないことは言うまでもなく、また、そのような高い社会的地位にある者がテロを礼賛肯定する発言をすることは、「偉い人」が言うのだからやってもいいんだ、と単純に受け取る者の出現を招くことにもなります。

かかる発言が放任されるのであれば大学は学問の府ではなく活動家の拠点というべきものであり、新たなテロの誘因ともなりかねず、国民の税金で支えるべきものではありません。

この点、学校教育法15条においては、是正の勧告を経た上で組織の廃止、すなわち大学の解体ができることを定めています。

今回、まず人事、組織に関する是正の勧告を求め、文部科学省に意見書を提出しました。

 

意見書内容

文部科学省高等教育局大学教育・入試課 御中

学校教育法第15条に基づく勧告に関する意見

かねてより、大学教員の地位にある者による、テロの肯定、礼賛、自らと異なる意見を持つ者の死を願うなど、極めて不適切な発言が散見されます(後記参照)。

大学教授等、大学教員という社会的地位、信用のある立場にある者がテロを肯定、礼賛する発言をすることはテロへのハードルを下げ、人命の喪失、社会の混乱をもたらす恐れがあり、実際に元内閣総理大臣の暗殺という事件を招きました。

学校教育法(以下、法)83条1項においては大学の目的を「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させること」とするところ、前記のような、自らの主義主張を暴力により実現する行為を肯認することが「知的、道徳的、応用的能力の展開」の対極にあることは論を待たないと思われます。

また、かかる発言を躊躇わない者は、自らと異なる説もまた研究、議論以外の方法で排斥することも躊躇わない恐れがあり、これも同項における「深く専門の学芸を教授研究」に抵触するものです。

更に、このことは大学設置基準第四章各条項に規定される「大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有す」る者に該当しないことともなります。

にもかかわらず、その所属する大学は特段の対応もとらず、事実上容認しているものです。

かかる状態は、法第15条1項「授業その他の事項について、法令の規定に違反している」と認められるといえます。

そこで、かかる状態を改善するため、同条項に規定する必要な措置をとるべきことの勧告を行い、これがなされないときは、同条第2項による変更を命じ、これによってもなお改善がなされないときは、同条第3項による組織の廃止を命ずべきと考えます。

本来、大学における人事について外部が介入することは好ましくないところではありますが、大学に自浄作用がないときは、学校教育法における大学の目的、ひいては憲法第23条の定める学問の自由の保障のため、必要やむを得ない措置と考えます。

 

□ 大学教員の不適切発言の例

・京都精華大学講師(発言時。現准教授)
安倍総理の辞任会見につき肯定的な意見を述べた芸能人に対してSNS上で「夭折すればよかった」と発言。

・法政大学教授 山口二郎氏
公道上において「安倍を叩き斬る」と声高に放言

・東京大学教授 隠岐さや香氏
多数の犠牲者を出した左派グループによるテロを「うっかり暴力沙汰を起こした」と発言。

・法政大学教授 島田雅彦氏
インターネット番組において「安倍元総理の暗殺が成功してよかった」と発言